食事と健康管理の専門家 せんぽ東京高輪病院名誉栄養管理室長 足立香代子先生の特別セミナー 食生活de血管ケア

加齢とともに気になる血管の健康状態のこと。

足立香代子先生(管理栄養士)

一般社団法人臨床栄養実践協会理事長。せんぽ東京高輪病院名誉栄養管理室長。管理栄養士。
豊富な臨床経験をもとにした、個人個人の立場(疾病状態、健康状態、生活状態や精神状態などの生活の質を考慮)に立った新しい栄養指導に取り組んでいる。
医療現場で過剰栄養に対する栄養指導や入院患者への栄養管理を実践し続ける一方、栄養から見た検査値の読み方、栄養診断、対面指導技術をはじめ、食事に経腸栄養、静脈栄養を含めたトータルコーディネートができる人材育成にあたっている。2003年に厚生労働大臣賞、2008年に日本栄養士会功労賞、日本臨床栄養学会教育賞ほか、多数受賞。

血管に健康的な食生活はかんたん?難しい?

みなさんは毎日の食生活の中で塩分や糖質、脂質などに気をつかっていますか?高血圧や高血糖、脂質異常症など、食習慣と血管のすこやかさはとっても密接な関係にあります。しかしそうは言っても、1日3食を通じて健康的な食事を徹底していくのは難しいですよね。たとえば下の「一日の食塩摂取基準」を見てください。外食や市販のお惣菜などを食べるとすぐにオーバーしてしまうんです。

一日の食塩摂取基準

今すぐチェック!みなさんの食生活はどうですか?

それではみなさんの食生活における問題点をチェックしてみましょう。下のポイントは血管にダメな食生活の典型です。

check1.ラーメン&ライスや丼ものの食事で炭水化物の摂り過ぎcheck2.外食やお惣菜の多い食事で野菜が少ないcheck3.不規則な生活や朝起きられなくて朝食を食べないcheck4.仕事の付き合いや晩酌でお酒の飲み過ぎcheck5.濃い味付けが大好きだから塩分の摂り過ぎ

当てはまる項目が多いほど高血糖や高血圧などの生活習慣病を引き起こしやすい食生活と言えます。さらにこのような偏った食生活は悪玉コレステロールを増やし、血管事故(脳卒中や心筋こうそくなど)の原因となる動脈硬化を引き起こしてしまいます。もしも該当する項目があるならひとつひとつ見直していくことが健康的な血管づくりの第一歩です。さらに下のポイントを摂り入れた食生活を実践して、血管ケアに取り組んでいきましょう。

足立先生直伝!!食生活改善のワンポイントアドバイス

血圧、血糖、コレステロールだけではない!?血管年齢の老化と最新対策

近年、血管ケアのキーワードとして注目されている血管年齢はご存知ですか?加齢に伴う血管年齢の老化も、偏った食生活同様に動脈硬化を引き起こしてしまいます。しかも血管の老化は加齢とともに進行しており、目には見えないため予想以上の血管年齢になっている場合もしばしば。しかしこの血管年齢は実際の年齢とは異なり若返らせることができます。以前、私たちが行った試験の結果では、食事指導によって血管年齢の低下が確認されました。さらに血管年齢を若返らせる注目の成分「年齢ペプチド」の摂取によっても、血管年齢低下の有効性を試験で確認しています。

血管年齢に対する「年齢ペプチド」と食事指導の試験結果

試験内容

血管年齢が高めの女性14名を2つのグループに分けて、1つのグループには「年齢ペプチド」を含む飲料を8週間摂取していただき、もう片方のグループには8週間の食事指導を受けていただきました。

食事指導の内容

・指導内容:野菜類は1日450gか1食2品、または現在より増やす。
 肉類は週3回に抑える。大豆類と魚類は毎日摂取。
・食事記録用紙には目標量を記載(体重は除く)
 記入項目(11項目):主食・魚・肉・卵・大豆製品・乳製品・野菜料理・油脂料理・
 菓子・アルコール・体重
・食事内容は毎日食品群ごとに記録

試験結果

食事指導のグループでは4週間後の血管年齢が低下し、「年齢ペプチド」摂取グループでは、試験開始時の平均血管年齢61.2歳と比較すると、4週目には58.2歳と3.0歳低下し、8週目では56.3歳と4.9歳低下しました。

血管年齢が低下:グラフ

食生活による血管ケアの秘訣はまず続けてみること。

試験によって食事指導は血管年齢を低下させる可能性が示されましたが、さらに継続的な指導や厳密なチェックが必要であることがわかりました。一方、「年齢ペプチド」は血管年齢を有意に低下させることがわかりました。とくに「年齢ペプチド」は毎日の摂取が容易なぶん続けやすく、明確な有効性が確認できたのだと思います。
現代人の食生活の傾向を見て、まず思うのは野菜が足りないこと。さらに男女とも働くようになった結果、外食が増え、肉食に偏っています。最近は魚の市場価格が高いこともあって肉食の傾向はさらに強まっているように思います。このような状況の中、食生活による血管ケアはとても大変ですが、あきらめずに継続することが大切です。毎日体重をチェックしたり、家族と一緒に習慣づけたり、食べ過ぎても3日単位で調整するなど、続けやすい工夫をして、ぜひ血管ケアに取り組んでみてください。