「カルピス」由来健康情報室

日本を代表するアレルギーの名医が語る最新研究の成果…アレルギー<アトピー・鼻炎・花粉症>対策ガイド

医学博士 鳥居新平先生
■プロフィール
名古屋大学医療技術短期大学部名誉教授・一社アレルギー科・こどもクリニック名誉院長
専門は臨床栄養学、アレルギー学、小児科学。日本小児アレルギー学会会長、日本アレルギー学会会長、厚生労働省特定用途食品検討部会委員などを歴任。日本を代表するアレルギーの専門家。著書に「小児ぜん息・アレルギー疾患食事療法HANDBOOK」(医歯薬出版)、「子どもの食事とアレルギーQ&A」(共著/第一出版)など。
医学博士 池澤善郎先生
■プロフィール
横浜市立大学名誉教授・あい皮ふ科アレルギー科院長
専門はアトピー性皮膚炎、蕁麻疹、薬疹、接触皮膚炎など。日本接触皮膚炎学会会長、日本職業・環境アレルギー学会会長、日本皮膚アレルギー学会会長、日本皮膚科学会東京支部学術大会長、日本アレルギー学会会長、東京都アレルギー性疾患対策検討委員会委員などを歴任。著書に「アトピー性皮膚炎 ここまで分かった!ここまで治る!!」(北隆館)、「薬疹のすべて」(南江堂)など。

その1 増え続けるアレルギー人口 最近のアレルギー事情

アトピー性皮膚炎や花粉症、食物アレルギー、じんましんなど、一言でアレルギーといっても、その症状はさまざま。その1では、近年、アレルギーを持つ人が増えた原因や、アレルギー事情について詳しく聞いていきましょう。

池澤先生:アレルギーを引き起こす物質であるアレルゲンは食べ物や化学物質など多岐にわたり、本来は無害な物なのに、カラダの免疫系が過剰反応しアレルギーが発症してしまいます。その発症にはアレルギー体質に加えて環境因子も大きな影響を与えているんです。

鳥居先生:アレルギー増加の原因を説明するものとして「衛生仮説」があります。これは、清潔すぎる環境下では感染症が減るかわりに免疫系が鍛えられないために、アレルゲンに過剰反応しやすくなり、それでアレルギーの発症が多くなるという説です。日本人のアレルギー患者数は年々増加を続けており、厚生労働省の調査では、現在日本人のアレルギー有病者数は約2人に1人*、約6,000万人にものぼると言われています。
*厚生労働省、リウマチ・アレルギー対策報告書2011より

池澤先生:ここ20年ではアレルギー事情にも変化が見られます。乳幼児に多いアトピー性皮膚炎の多くは、学齢期になると自然に治っていましたが、最近では成人になっても自然に治ることなく、そのまま続くとか悪化する人が増えてきているんですよ。

最近のアレルギー事情のまとめ◎アレルギーの発症には、生活習慣を含めた環境因子も大きな影響を与えており、有病率も年々増加し続けている。
その2 ここまでわかった!アレルギーのメカニズム

それでは、なぜカラダの免疫系が過剰反応してしまうのでしょうか?生活習慣や環境要因によって、アレルギーが発症するメカニズムと対策について、聞いていきましょう。

鳥居先生:そもそもアレルギーは免疫バランスの崩れによって発症するんです。ヒトの免疫システムには、司令塔の役目をするTh1(主として感染に働くT細胞)、Th2(主としてアレルギーに働くT細胞)、Treg(主として免疫調節に働くT細胞)という細胞がありますが、これらのT細胞は互いにバランスを取りながら免疫をコントロールしています。しかし環境や生活習慣によって、Th2が過剰になったり、Tregが弱まったりすると、免疫バランスが崩れ、アレルギーが発症してしまうんですね(図1)。

池澤先生:つまり、アレルギー対策のポイントは、免疫バランスを整えることなんですよね。

アレルギー発症のメカニズム

アレルギーのメカニズムまとめ◎免疫バランスの崩れからアレルギーは発症する。アレルギー対策のポイントは、免疫バランスを整えること。
その3 専門家も注目!アレルギーと「L-92乳酸菌」

このようにアレルギーの発症メカニズムが解明されつつある中、多くの専門家の間でも、最新のアレルギー対策として注目を集めている成分があるといいます。次はその注目の成分について解説していただきます。

鳥居先生:いま、新たなアレルギー対策として私たちが注目しているのが「L-92乳酸菌(ラクトバチルス・アシドフィルスL-92株)」です。この特別な乳酸菌は、免疫をつかさどる細胞に働きかけ、抗アレルギー作用を引き出してくれることがいくつもの研究から明らかにされています。

池澤先生:鳥居先生は、小児のアトピー性皮膚炎患者を対象とした「L-92乳酸菌」の有効性を日本臨床腸内微生物学会で発表していますよね。

「L-92乳酸菌」

「L-92乳酸菌」摂取による皮膚症状+治療スコアの変化

「L-92乳酸菌」の有効例の比率

鳥居先生:はい。私達が行ったのは1歳から12歳までのアトピー性皮膚炎患者50名を対象に、「L-92乳酸菌」を摂取してもらい、その経過を比較した試験です。図2を見てください。
これはアトピー性皮膚炎の症状の重さをスコア化したもの。横軸の0から8週までが「L-92乳酸菌」の摂取期間です。「L-92乳酸菌」を摂ることでスコアが低下し、症状が改善してきていることがわかりますね。別の4歳から15歳までの対象者20名に行った試験結果の図3でも有効と感じる割合が90%にも達しているんですよ。

池澤先生:この結果には私も驚きました。最近、私たちも「L-92乳酸菌」とアトピーに関する研究を行っているんです。すると、中等症以上の難治例が多い成人のアトピー性皮膚炎に対しても、同様の有効性を得ることができたんですよ。

鳥居先生:それはすごいですね。子どもだけでなく成人アトピーも含めて「有効」だというデータが取れるのは、とても珍しいことだと思います。他にも、通年性鼻炎や花粉症への効果を証明する試験が行われていますよね。
いま「L-92乳酸菌」の免疫バランスに働きかけるメカニズムが、徐々に解明されている段階です。とにかく「L-92乳酸菌」の働きには非常に期待しています。

成人のアトピー性皮膚炎への有効性も実証!

2015年1月に今まで明らかにされていなかった成人のアトピー性皮膚炎への「L-92乳酸菌」の有効性が発表されました。神奈川県の横浜市大で池澤善郎先生らによって行われた試験では、18歳から54歳のアトピー性皮膚炎患者49名のうち、24名に「L-92乳酸菌」を含んだ食品を、25名に「L-92乳酸菌」を含まない食品(プラセボ)を摂取してもらいました。通常の投薬治療は継続したまま8週間摂取してもらい、その経過を比較しました。その結果、図4のように、「L-92乳酸菌」を摂取したグループでは皮膚炎スコア(SCORAD*)が有意に低下したことが確認されました。また、図5では「L-92乳酸菌」を摂取したグループはアレルギー性の炎症に伴って増加する血液中の好酸球数がプラセボ群に比べて、有意に低下したことが示されました。さらに、図6では「L-92乳酸菌」を摂取したグループはTreg誘導因子の一つであるTGF-βが有意に増加したことがわかりました。
*SCORADとは、Scoring atopic dermatitisの略語で、アトピー性皮膚炎の重症度(皮膚症状とかゆみ)を指数化したもの。英文の文献では、現在、最も広く採用されています。

●「L-92乳酸菌」摂取による皮膚炎スコアの変化●「L-92乳酸菌」摂取による血液中の好酸球数の変化●「L-92乳酸菌」摂取によるTreg誘導因子(TGB-β)の変化

解明がすすむ「L-92乳酸菌」の働き!通年性アレルギー性鼻炎や花粉症でも「L-92乳酸菌」の8週間の摂取で有効性を確認!

カラダの中の免疫バランスを整える「L-92乳酸菌」には、アトピーだけでなく、通年性アレルギー性鼻炎や花粉症といったアレルギーへの有効性も確認されています。それぞれの症状において、「L-92乳酸菌」を8週間摂取したグループは有意な改善が確認されています。

通年性アレルギー性鼻炎への有効性

通年性アレルギー性鼻炎を持つ患者49名を2つのグループに分け、25名に「L-92乳酸菌」を含む食品を、24名に「L-92乳酸菌」を含まない食品(プラセボ)を8週間摂取してもらい、症状の変化を測定しました。その結果、「L-92乳酸菌」摂取群では、摂取していない群に比べ、鼻の症状は有意に改善、眼の症状は改善傾向にあることが確認されました。

●鼻の症状+治療スコア●目の症状+治療スコア

花粉症への有効性

花粉曝露試験施設(所在地:和歌山県有田郡有田川町、所有:NPO日本健康増進支援機構)において、「L-92乳酸菌」を用いたスギ花粉曝露試験を実施しました。試験では花粉症の症状をもつ人80名を「L-92乳酸菌」配合食品を摂取する3グループ(菌末量20mg、60mg、180mg)と「L-92乳酸菌」を含まない食品(プラセボ)を摂取するグループの計4グループ(各20名)に分け、花粉曝露を行いました。その後、8週間摂取してもらった後、再び花粉曝露を行い、摂取前後の眼や鼻などの花粉症の症状の変化を解析しました。
その結果、「L-92乳酸菌」摂取グループで、花粉再曝露後の「眼の症状」、「鼻の症状」に緩和が認められました(図9・10)。

●眼の症状●鼻の症状

アレルギーと「L-92乳酸菌」のまとめ◎「L-92乳酸菌」は、カラダの中から免疫機能に働きかけ、抗アレルギー作用を引き出してくれる。◎これまでの研究で、幼少期のアトピーに加え、成人アトピーにも有効性を確認。◎アレルギー性鼻炎や花粉症にも有効性を確認
その4 すぐに実践したい簡単アレルギー対策

アトピーやアレルギーの発症メカニズムや「L-92乳酸菌」について理解できましたか?その4では、先生お二人に今すぐ始められるおすすめアレルギー対策についてお話ししていただきます。

池澤先生:私は、アレルギー症状の改善のためには、従来の西洋医学的なアプローチに加え、生活習慣を見直しカラダ全体のバランスを整えることをおすすめしています。
臨床医としての経験からも、その方が症状の緩和や治癒に結びつきやすいように思います。

鳥居先生:そうですね。私も普段の生活からアレルギーケアを心がけていくことが大切だと感じています。強い界面活性剤の入っているシャンプーや洗剤は避け、昔風の石けんを使ってみたり、綿やシルクといった自然素材の衣服を着るなどの対策もいいと思います。特に幼少期はアトピー症状がなくても、皮膚のバリアー機能が弱い時期です。環境、生活習慣の両面でQOL(クオリティ・オブ・ライフ=生活の質)を高め、意識的に皮膚をケアしてあげることが大切です。

簡単アレルギー対策まとめ◎アレルギー対策はまず生活習慣から。普段の食生活や住環境について見直してみることが大事。
最近のアレルギー事情アレルギーのメカニズム「L-92乳酸菌」の働き簡単アレルギー対策

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