「CS19ペプチド」脳の認知機能の改善に

加齢とともに発症していく認知症

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食品栄養科学の権威 横越英彦先生が解説!脳の認知機能の衰えと認知症

認知症イメージ画像

Q.もの忘れと認知症は何が違うの?

横越英彦先生

A.加齢に伴うもの忘れは、体験の一部を忘れるだけですが、認知症の場合、その体験のすべてを忘れてしまいます。

年齢を重ねるごとに増えてくるもの忘れは誰にでも起こりうる老化現象の一つです。最近、忘れものやうっかりすることが増えたからといって、「もの忘れ=認知症」というわけではありません。
例えば、「さっき食べたものが具体的に思い出せないことがよくある」といった自覚症状があったとします。この場合は、食事をしたという体験に関しては覚えており、忘れたことへの自覚もあるので、加齢に伴うもの忘れだといえるでしょう。一方、認知症の場合は、食事をしたこと自体を忘れていたり、忘れてしまっていることへの自覚がありません。

もの忘れと認知症の違い①

もの忘れと認知症の違い②

Q.認知症とはどんな状態?

横越英彦先生

A.脳の認知機能の低下によって、さまざまな生活への支障が現れる状態のことです。

認知症とは、さまざまな原因によって脳の神経細胞が損傷を受けたり、働きが悪くなることで発症すると考えられており、認知機能が低下し、社会生活や日常生活に支障が出てくるような状態を指します。
認知症には「アルツハイマー型認知症」「脳血管性認知症」「レビー小体型認知症」「前頭側頭型認知症」など様々な種類があります。その種類によって、原因となる病気や症状が異なります。最も多い疾患が「アルツハイマー型認知症」で、認知症患者全体の約6割を占めています。
厚生労働科学研究の報告によると、2012年度時点で65歳以上の約7人に1人、約462万人が認知症有病者で、また2025年になると65歳以上の約5人に1人、約700万人が認知症有病者になると推測されています。このように認知症は誰にとっても身近な病気だといえるでしょう。

認知症の原因となる病気

日本国内の認知症患者数推計

コラム若年性認知症(若年性アルツハイマー病)とは

65歳未満で発症する認知症のことを若年性認知症と言います。厚生労働省が2009年に発表した調査結果によると、若年性認知症患者は女性よりも男性の方が多い傾向にあります。また、発症年齢は平均約51歳で、認知症の種類では脳血管性型とアルツハイマー型の2つが多く見られます。

若年性アルツハイマー病の初期症状としては、空間や地理的な感覚が失われ、場所や位置が分からなくなる見当識障害が明確に現れます。また、今まで処理できた課題ができなくなったり、抑うつや意欲の低下などもしばしば見られます。

このように、まだ働いている方も多い年代での発症は生活上での問題に加え、仕事上でも多くの支障をきたします。作業効率の低下や周囲へのストレスなどが重なり、やがて就労継続が困難になってしまった場合には経済的な危機につながる恐れもあります。

Q.認知機能が衰えるとどんな具体症状があるの?

横越英彦先生

A.記憶障害、見当識障害、判断力の低下など、様々な症状があります。

認知機能の衰えイメージ

認知機能が衰えることで、日常生活にさまざまな影響が出ます。
具体的には、以下のようなものがあります。

 
●記憶障害 名前が分からなくなる。同じことを聞く、言う。食事など、直前のことが思い出せなくなる。
●見当識障害  

日付や曜日が分からなくなる。場所が分からず迷子になる。顔を識別できなくなる。

●判断力の低下

料理を作れなくなる。車を安全運転できなくなる。集中力や注意力が散漫になる。

●生理的な変化

寝つきが悪く、眠りが浅くなる。

●知覚障害 味覚や嗅覚、痛覚といった知覚が鈍くなる。
●運動障害

うまく歩けなくなる。寝たきりになる。

●自律神経障害 立ちくらみがする。脈拍が不安定になる。失禁する。異常発汗する。

Q.歳をとると、なぜ“もの忘れ”が多くなるの?

横越英彦先生

A.記憶をつかさどる脳の神経細胞が加齢とともに減少してしまうからです。

加齢とともに神経細胞が減少し、認知機能が低下することで“もの忘れ”や“記憶力の低下”といった症状が出ることが多くなります。中でも、記憶や判断に関わる海馬や側頭葉、前頭葉の細胞がとくに減少しやすいと言われています。

もの忘れの原因

コラム脳機能(認知機能)の低下を防ぎ、維持していくために

脳も加齢とともに老化し、機能は衰えていきます。そのため高齢になるほど“もの忘れ”や“うっかり”が増えていくのは自然なことです。脳機能の衰えが深刻なものなのかを判断する一つの目安としては日常生活に支障がないことが挙げられます。

脳機能の維持・低下予防のための対策として、何よりも大切なのは趣味のように楽しんで取り組むことです。楽しんで取り組むことが、脳への刺激となり、よい影響を与えます。長続きしなかったり、イヤイヤながらやるのではあまり意味がありません。人との会話や交流、運動など、心に余裕を持って取り組めることを習慣化することで、認知機能を維持していくことが大事です。

また、食生活においては“五感で楽しむ”ことを心がけてみてください。味覚だけでなく、見た目や匂い、調理される時の音、手触り・舌触りも意識し、会話なども交えながら楽しい雰囲気の中で食事することがおすすめです。そうすることで脳にも良い効果がもたらされると考えられています。

一家団欒の食事イメージ